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「認知能力」がこれからの新しい学力観!?認知能力と非認知能力の違いは?

認知能力

新しい学力観として注目の集まる「非認知能力」。やり抜く力やコミュニケーション能力といった、これまでの認知の枠組みだけでは測ることのできない力を指します。そもそも認知能力とはどのような力のことなのでしょうか。そして非認知能力との違いはどこにあるのでしょうか?

目次

認知能力とは何か

主に心理検査でその項目は登場します。
例えば心理検査のWISCには言語理解、知覚推理、ワーキングメモリ、処理速度という4つの評価項目があります。これらはさらに細かく分かれ、下位検査に位置付けられています。

認知能力や知能検査の歴史は新しく、発展を遂げたのはここ1世紀のこと。しかし認知能力がそれまで明らかになっていなかったのではありません。類推や分類、比較、抽象化といった言葉は古くから用いられていました。
これらの言葉の中でも知能を図るうえで重要と考えられた指標を用い、そして実際に検査可能な数値としてあらわすことができたものが知能検査です。

例えばIQを測定するアプリがありますが、瞬間的に判断する力や臨機応変に対応する力、そしてどのくらい覚えていられるかを測定したことはあるのではないでしょうか。
それらはこうした知能指数をもとに開発されています。

認知能力と学習の関係

こうした認知能力は私たちの生活に密接にかかわっており、障がいに悩む子どもや大人にの学習能力や生活能力を向上させるために用いられてきました。

これは子どもの学習状況を確認するうえでも役に立ちます。

例えば国語の文章題を解いていると良く出題される内容として
「筆者の主張はどこか?」
「登場人物はこのときどのような気持ちでしたか?」
といった問題が出題されますね。

このときは筆者の意図を探すために論理的思考力は重要です。しかし論理的に考えるためにはそもそも注意を向ける力(意識的に読もうとする力)、類推、そして前後の文脈を把握しておくためのワーキングメモリといった力が必要になるのです。
これらの一部が高かったり低かったりすると非定型発達と位置付けられます。

解法を身につけることによってできることもあれば、こうした理由から解法を身につけるだけではうまくいかないこともあります。

認知能力の観点から得意・不得意が分かるとそれらをもとにおおよその傾向をとらえることができます。

同じ算数でも図形が得意な子、計算が得意な子、数列が得意な子がいます。
同じ国語でも漢字が得意な子、文章題が得意な子、作文が得意な子がいます。

こうした個性は認知能力の個性ともいえるので、認知能力の観点に着目することは個性の発見にもつながるのです。

変化に強くなるための力。非認知能力とは

対して近年では非認知能力への注目も高まってきました。
非認知能力とはコミュニケーションや遂行能力(やりぬく力)、情動をコントロールする力といったように、検査などでは指標として測れない力のことを指します。

三日坊主を例にとってみましょう。

私たちは新年を迎えたり誕生日を迎えたりすると、何か新しいことを始めようと試みます。そのときに目標を立てますよね。

しかしやってくるのは三日坊主。継続できずに断念してしまった経験はありませんか?

三日坊主は何も特別なことではありません。これは科学的にも明らかになっています。

新しい目標を立てたり計画を行ったりすることは脳の前頭前野を使うことになります。
前頭前野はエネルギーであるブドウ糖を多く消費するため、普段よりも疲労が大きくなるのです。一方で脳には生存するために必要な習慣を維持するための基底核があり、こちらの基底核はブドウ糖を多く消費しません。そのためよりエネルギーを消費しないように、と新しい習慣を身につけることに対する思考が動かなくなりやすいのです。

つまり三日経つと当初のモチベーションも記憶として薄れ、しかも「三日間頑張ったし今日くらいは!」と考えるのも人間ならではの思考回路です。

こうした三日坊主を乗り越え目標達成のために頑張るためにはモチベーションを維持するための環境が必要です。

私たちは目標を紙に書いてモチベーションを呼び起こしたり、誰かに話して意気込みを語って励ましてもらったりと環境を変えようとするのです。

このように目標を達成するためにモチベーションを高くしておく力も非認知能力の一つです。

認知能力や非認知能力は教育の場で活用できる?

認知能力は認知能力として研究が進められています。
しかし認知能力だけでは人間の行動は説明がつかず、新しいことを創造するためにはこれまでの認知の枠組みだけでは説明しきれない能力があるために、非認知能力も注目されるようになりました。

認知能力と非認知能力は自転車の両輪のようなもので、互いが関連しあっている力と考えられるかもしれません。
私たちのところで認知能力に着目しているのはこうした個性を発見するためです。
「算数が得意だけど国語が苦手。」というように科目ごとの評価だけでは見えない能力があるのです。そのため先ほどの例のように算数の中でも得意な力、国語の中でも得意な力、そして反対に苦手な力に着目することで、より効果的な能力の向上を目指すことができると考えました。

今は教育現場に心理検査の結果が共有されることはあるものの、実際にどのように活用したらよいのか、先生も保護者も分からないことが多いのです。
私たちはそのギャップを埋めて、学校現場と家庭とで共通の目的意識をもてることでもっと子供たちにより良い教育を提供できると考えています。
そのため私たちはこうした認知能力にも着目し、十分なサポートが提供できるようにしています。

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