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知的ボーダー、境界知能の子はどこまで勉強させるべき?目標設定の方法とは

目次

知的ボーダー、境界知能の子はどこまで勉強させるべき?目標設定の方法とは

知的ボーダー、いわゆる境界知能のお子さんについてはどこを目標に勉強を進めたらよいでしょうか?

先日、研修の中でこのようなご相談をいただきました。

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知的ボーダー、いわゆる境界知能のお子さんについては
どこを目標に勉強を進めたらよいでしょうか?
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これについては私たちのところでは次のように
お答えしています。

「まずは自分のやりたいことに向けて勉強を進めましょう。」

実際、私たちのところには知的ボーダー(IQ80付近)のお子さんたち
が多数います。

そして多くの場合は自分のやりたいことを達成するために
勉強を行います。

勉強というよりもいわば学習能力の向上ですね。

なぜ、知的ボーダー(IQ80付近)のお子さんたちにやりたいことを
目指させるのかというと、その理由は3つです。

コミュニケーション能力はそれなりにある

世の中に単独で仕事が成立するのはデイトレーダーや独自に出版して販売するか、そして動画編集して広告収入を得るなど選択肢はあってもその数は限られます。

それ以外の仕事では大なり小なりコミュニケーションを求められます。
彼らにとって処理する量や継続時間に個人差はあれど、コミュニケーションが取れないわけではありません。

そのためコミュニケーションが取れる以上はそれなりに仕事ができる能力を持っているといえます。

2.小学生や中学生の段階で能力の限界を見極めるのは難しい

知的ボーダーにあるお子さんたちは学校の勉強こそ苦手ではありますが、工業製品に携わる仕事や接客業、小売店の商品管理など、マニュアルやその工程がある程度定められている仕事であればこなせる可能性があります。

ドイツでは4年間の初等教育を経てからマイスター制度と呼ばれる職能訓練の制度が確立されています。

日本では現状、高校まで勉強することが文化になっていますが、高校卒業を経てからこうした作業系の仕事であれば能力を発揮することも十分に考えられるのです。

3.本人が満足できない

これがもっとも強い理由かもしれませんが、おそらく知的ボーダーにいるお子さんたちは早々に就労移行支援や単純労働だけを
行うことには満足できません。
さきほどの理由2と関連しますが、マニュアルや流れが分かれば作業し続けることができる可能性が高い子たちです。
作業所や就労支援で行われる労働、それからその後の進路として与えられる仕事が彼らにとって満足できる内容であるかは、
千差万別ではあるものの満足できない可能性もあります。
また、コミュニケーションを求められる仕事であっても必ずしも共感性が持てないわけではありません。
中にはコミュニケーションのパターンを知れば、その力を発揮するお子さんもいます。

まずは最大限、選択肢を考慮しよう

これら3つの理由から、私たちは知的ボーダーのお子さんたちにも
自分のやりたいことを軸にしながらできる限りの選択肢を用意します。

そして、それがそのまま勉強する理由に直結しています。

長くなりましたが、まずはお子さんのやりたいことを軸に据えましょう。
もちろん能力の得意、不得意はあります。中には合理的配慮を必要とすることもあるでしょう。

少なくとも小学生のうちに未来を限定してしまう必要はないのではないでしょうか?

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≪発達が気になるなと思ったら≫
https://kouyusya.com/2024/01/05/hattasu-platanuscolumn001/
≪検査について知りたい≫

◇WISCⅣのそれぞれの指標の意味を知りたい
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◇K-ABCⅡについて知りたい
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