二次障がいはどこまで予防することができる?発達遅れやアンバランスの子の二次障がいとは
目次
- ○ 二次障がいはどこまで予防することができる?発達遅れやアンバランスの子の二次障がいとは
- ・二次障がいとは
- ・周りの理解のなさが二次障がいにつながることもある
- ・本人の認知の歪みがもたらす二次障がい
- ・発達特性がある子は人の話が聞けない??
- ・二次障がいの予防のために~スモールステップでできたこともしっかり評価しよう~
- ・まとめ
二次障がいはどこまで予防することができる?発達遅れやアンバランスの子の二次障がいとは
発達にアンバランスがあったり遅れがあったりすると二次障がいという新たな問題が生まれてくることがあります。この二次障がいは様々なタイプがありますが、それらは主に
周りの理解度や本人の自信、そして物の考え方によるところがあります。
今回はその二次障がいと予防策についてご紹介します。
二次障がいとは
二次障がいとは、本人の発達特性を理解してもらえずに自信喪失してしまったり、考え方が偏ることによって極端に物事をとらえるクセがついてしまいその結果社会生活の悪影響を及ぼすなど、本人の特性によって起こる新たな問題のことです。
二次障がいが進行するとうつ病やパーソナリティ障がい、そして暴力や暴言の日常化にもつながることがあります。
周りの理解のなさが二次障がいにつながることもある
発達特性を含む神経発達症は基本的には周りからは見えづらく、そうであると認識されにくい状態です。
例えば注意散漫でものを片付けるのが苦手だったとしてもコミュニケーションが普通に取れているのであれば、なかなか注意散漫な傾向があるとは理解されにくいです。
でも、実際に勉強をしてみるとケアレスミスが多かったり忘れ物が多かったりするとどうしても注意される回数が増えます。
困ったことにその注意が1人だけならまだしも、たくさんの人から指摘されたとしたらそれは自信喪失につながりますよね。
また、注意される回数が多く、さらに叱られる回数が多いとさらに自信はなくなっていくかもしれません。
このように周りが理解できずにいることで二次障がいにつながることがあります。
本人の認知の歪みがもたらす二次障がい
ADHDやASDのように発達のアンバランスがあると、考え方が偏ったり極端になったり、一方的になってしまったりすることがあります。
彼らの難しいところはこうした考え方を変えたり、相手の意見を受け入れて自分を変えることに難しさがあったりする点です。
「頑固」と言えばそうなのですが、どちらかというと「脳がそうした作りになっているから」
と考えるほうが彼らを理解する上では重要かもしれません。
発達特性がなくても自分の考え方を主張することが得意な人もいれば、相手の意見を聞くことが得意な人がいますよね。
そしてどちらかといえば自分の主張に対してこだわりを持ちやすいのが発達特性の1つで、
人の話を聞くことが大事と分かってはいてもなかなか自分の考えを新たに組み直していくことが苦手なのです。
発達特性がある子は人の話が聞けない??
では、発達特性がある子は人の話が聞けないかというとそうではありません。
受け入れるための心理状態が安定していること、そして自分の論理を組み替えるための納得ができれば
彼らは失敗も間違いも受け入れ、そして新しい論理や視点を自分のものとして受け入れることができます。
ただ、そのためには心理状態が安定していることが大前提として必要であり、
ここに普通以上の配慮を必要とする場合があるのです。
こうした配慮がなく、「やればできると言われて無理やりやらされる」「自分の考えが悪いと否定される(そんな気になる)」「何度も注意・叱責される」
これが常態化していくと二次障がいにつながる可能性も高まります。
二次障がいの予防のために~スモールステップでできたこともしっかり評価しよう~
二次障がいを防ぐためにはまずは日々自信を持てる毎日を過ごせるよう配慮することです。
そのためにできることはまずはスモールステップを評価して、できていないことだけではなく
できていることもしっかりと評価してあげることでしょう。
特に学校の先生や親族も含めると
「1日の中で1回怒られて1回ちょっと褒められた」くらいのことが当たり前になってしまっているかもしれません。
発達特性があるとそもそもセロトニンの分泌量も少なく幸福度も得られにくいことが分かっています。
であれば、やはり1日の中でできていることも言語化して伝えてあげられるのが良いですよね。
まとめ
ここまで書くと「怒らないほうがいい」と思われる方もいるかもしれません。
でも決してそんなことはありません。
怒ってしまうことがあるのは仕方がないことです。
それが日常茶飯事になってしまっていたら大変ですが。
問題はその割合をどうするか、ということです。
子どもだって悪いことをしたら怒られることはあります。
そして忘れ物をしたり友達に暴言を吐いて怒られることもあるでしょう。
ただ、そうした割合が他の子と比べて多くなる可能性は高いので、
その比率を調整して「8褒めたら(できたことを評価したら)2注意する」のように、
できていたこともしっかり伝えるのが良い、ということなんです。
二次障がいは自信喪失や偏った考え方から生まれると書きましたが、
まずは自信を持てること、そして自分のあり方を受け入れられることが重要です。