目で見て、全体を推理する知覚推理。AS知覚推理が苦手だとどうなる?
目次
- ○ 目で見て、全体を推理する知覚推理。知覚推理が苦手だとどうなる?
- ・知覚推理とは?
- ・算数で苦手意識が高まるかもしれない。知覚推理が苦手な子にありがちなこと
- ・知覚推理に苦手さはコミュニケーションに影響する?
- ・知覚推理を伸ばすことはできる?
- ・まとめ
目で見て、全体を推理する知覚推理。知覚推理が苦手だとどうなる?
知覚推理は目で見えた情報から、裏側や見えない部分を推理して構成や構造を考える力です。
自閉スペクトラム症のお子さんに多い傾向にありますが、ADHDのお子さんにも一部知覚推理が苦手なお子さんがいます。
知覚推理とは何か。そして知覚推理が苦手な子へのかかわりについてどうしたら良いのかまとめました。
積み木の問題を知っていますか?
積み木が積まれていて、その積み木はいくつあるかを答える問題ですね。
知覚推理と呼ばれる認知機能が弱いと、この問題に答えることが難しいことがあります。
☑図形の問題が特に解けない
☑相対図形が書けない
☑物語の読解文が苦手そう
などでつまずいていたらこの知覚推理が関係しているかもしれません。
知覚推理とは?
知覚推理とは
「目で見た情報から推理し、論理的に考えて背景や場面を理解しようとする力」です。
例えば先ほどの積み木問題だと、
「積まれているなら後ろにも隠されているだろう」
という推測が働きます。
特に高さがあって裏側が見えないとき、
浮いている、なんてことは考えませんよね。これは私たちが暗に
積まれているなら下にも積み重ねがあるはずだ
だから見えていないだけだ
そして見えていないところには同じ大きさの積み木があるはずだ
だから見えている情報を頼りにすれば、見えていないところの個数も分かるはずだ
という推論を瞬時に積み重ねて答えを導き出します。
つまり、知覚推理が働かないということはこの過程が生まれないということです。
では、知覚推理が苦手だとどうなるのでしょうか?
算数で苦手意識が高まるかもしれない。知覚推理が苦手な子にありがちなこと
知覚推理が苦手なことで起こること今回は算数について、どんなことが起こるのかの例を紹介したいと思います。
算数ではなんといっても
図形問題に
つまずきやすいのではないでしょうか?
例えば台形を2つに分けて考える問題があった時
1つの台形をきれいに三角形と四角形に分けて考えたりする問題がありますね。
このとき
「2つに分けてみましょう」という指示だけ与えられたとします。
するとどうなるか。
きれいに分ける
ということをせずに半分に分けたりするんです。
そして実際にきれいに分けた場合であっても
新たに出来上がった図形が
三角形と四角形の組み合わせである
という理解を得るまでに時間がかかるんですね。
これと似たようなことは文章題や相似な図形、それから1つの図形の中に複数の図形があるような問題で良く起こります。
とはいえ自分でまったくできないわけではありません。
結局のところ補助線というのもトレーニングでいくらかはパターンで引けるようになります。
まずは1つの図形の中から複数の図形を探し出してみる
という練習をしてみるのが良いかもしれませんね。
知覚推理に苦手さはコミュニケーションに影響する?
知覚推理はコミュニケーションの場面ではどのようなことがおこるのでしょうか?
ここでまず1つ。
ポイントは
コミュニケーションのときに得ている情報は言葉以外にもある
ということがポイントです。
他に何があるかというと・・・
口元の動き
表情全体
ジェスチャー
これらが組み合わさり、かつ
話している内容の文脈
が必要になります。
コミュニケーションって複雑ですね・・・。
では知覚推理がどこに関わってくるかというと
表情の読み取り
これが一番関連性が高いかもしれません。
怒っているとか笑っているとか分かりやすい表情は良いのですが
ちょっとあきれた表情とか
言葉では「分かってる~」と言いながらむすっとした表情とか、
そういう言葉と表情にアンバランスがあるときは読み取りづらいかもしれません。
知覚推理を伸ばすことはできる?
知覚推理が伸びるかどうかについては難しいところです。
ただ、直感的に判断していることが多いため、
読み取った情報を一度一緒に整理してみる、というのが
オーソドックスな方法。
コミュニケーションであっても勉強であっても
どんな情報を読み取れたかを確認し、
その後他にどんな情報が読み取れるかを提示し
パターンを作っていく。
そのパターンを積み重ねたのち、
他の似たような場面や問題で
練習してみる。
というのがよさそうです。
というのも
そもそも推論や戦略は
積み重ねられたパターンをどれだけ蓄積できるか
によって変わってくるからです。
知覚推理が苦手な場合、初見では難しいようなことも
似たような問題を積み重ねることで
推論ができるようになることもあります。
ただ、自分一人でやるとそもそも
「何をどうしたら良いのか」が分かりません。
はじめはパターンを学習するまでそのパターンや方法を一緒に教えてあげられると良いですね。
まとめ
いかがでしたか?
ここまでWISCⅣで評価される知覚推理について解説してきました。
知覚推理が苦手だとどうしても情報のキャッチが表面的になりがちです。
立体や空間の認識が持てるようになれば図形問題や文章読解問題にも活用できるかもしれません。
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