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WISCⅣで用いられる知覚推理とは?○○を増やすと勉強しやすくなるかも!?

目次

WISCⅣで用いられる知覚推理とは?子どものやる気をあげるためにできることとは。

ワーキングメモリ、処理速度、言語理解と並んでWISCⅣで計測される数値に知覚推理という項目があります。

知覚推理が弱いと
これはぱっと見た情報で判断するため、その奥行きや裏側、そして見えている全体を総合して判断する力が弱く、

直感的な判断になってしまう傾向があります。

知覚推理が苦手な子の傾向とそのサポート方法をご紹介します。

積み木問題に代表される知覚推理とは

積み木の問題を知っていますか?

積み木が積まれていて、その積み木はいくつあるかを答える問題ですね。

知覚推理と呼ばれる認知機能が弱いと、この問題に答えることが難しいことがあります。

☑図形の問題が特に解けない
☑相対図形が書けない
☑物語の読解文が苦手そう

などでつまずいていたらこの知覚推理が関係しているかもしれません。


◇知覚推理とは

「目で見た情報から推理し、論理的に考えて背景や場面を理解しようとする力」です。

例えば先ほどの積み木問題だと、

「積まれているなら後ろにも隠されているだろう」

という推測が働きます。

特に高さがあって裏側が見えないとき、

浮いている、なんてことは考えませんよね。これは私たちが暗に

積まれているなら下にも積み重ねがあるはずだ

だから見えていないだけだ

そして見えていないところには同じ大きさの積み木があるはずだ

だから見えている情報を頼りにすれば、見えていないところの個数も分かるはずだ

という推論を瞬時に積み重ねて答えを導き出します。


つまり、知覚推理が働かないということはこの過程が生まれないということです。

では、知覚推理が苦手だとどうなるのでしょうか?

知覚推理が苦手だと兵十は悪者になる?~知覚推理とごんぎつね~

ごんぎつねをご存じですか?
いたずら好きの狐のごんが心を入れ替え、兵十にせっせとご飯を運んでいたら、それをいたずらしにきたと勘違いした兵十がごんを撃ってしまう切ないお話です。

国語の物語文があって読み進めていきますよね。

読み進めていくうちに心情を表現する場面があったとき

何が起こるかというと

「推論する」という機能が働くんです。

ごんぎつねの最後にはこんな場面があります。

「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは」
 ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。
 兵十は火縄銃をばたりと、とり落しました。青い煙が、まだ筒口から細く出ていました。

この文を読んだときに「かわいそうなことをした。取り返しのつかないことをした」という兵十の気持ちを想像すると思います。

でも、そんなこと書いてませんよね。

このときに推論という機能が働いているのです。

段階を追うと


☑兵十はごんが罪滅ぼしとしてご飯を運んでいたことを知らない
☑相変わらずごんはいたずら狐だと考えている
☑ごんは罪滅ぼしでせかせかと兵十にご飯を運んでいる
☑最後の場面で青い煙が出ている(これは切ないイメージがある)

本当はもっと細かい推論が働くのですがざっとこんなところです。

するとこの推論が働かずに最後の場面だけ見る。そしてそのセリフだけを見ると

「兵十は悪い奴」というような判断が下るんです。
(実際にあった回答です)
*物語の解釈は人それぞれです。

いかがでしょうか?知覚推理に苦手さがあると国語ではこのような解釈違いも起こるかもしれません。

知覚推理が苦手だと算数ではなににつまずきやすい?

算数ではなんといっても

図形問題に

つまずきやすいのではないでしょうか?


例えば台形を2つに分けて考える問題があった時

1つの台形をきれいに三角形と四角形に分けて考えたりする問題がありますね。


このとき

「2つに分けてみましょう」という指示だけ与えられたとします。

するとどうなるか。

きれいに分ける

ということをせずに半分に分けたりするんです。

そして実際にきれいに分けた場合であっても

新たに出来上がった図形が

三角形と四角形の組み合わせである

という理解を得るまでに時間がかかるんですね。


これと似たようなことは文章題や相似な図形、それから1つの図形の中に複数の図形があるような問題で良く起こります。

とはいえ自分でまったくできないわけではありません。

結局のところ補助線というのもトレーニングでいくらかはパターンで引けるようになります。

まずは1つの図形の中から複数の図形を探し出してみる

という練習をしてみるのが良いかもしれませんね。

知覚推理はコミュニケーションに影響する?

◇知覚推理とは

「目で見た情報から推理し、論理的に考えて背景や場面を理解しようとする力」でした。


知覚推理はコミュニケーションの場面ではどのようなことがおこるのでしょうか?


ここでまず1つ。

ポイントは

コミュニケーションのときに得ている情報は言葉以外にもある

ということがポイントです。

他に何があるかというと・・・

口元の動き
表情全体
ジェスチャー

これらが組み合わさり、かつ

話している内容の文脈

が必要になります。

コミュニケーションって複雑ですね・・・。


では知覚推理がどこに関わってくるかというと

表情の読み取り

これが一番関連性が高いかもしれません。


怒っているとか笑っているとか分かりやすい表情は良いのですが
ちょっとあきれた表情とか

言葉では「分かってる~」と言いながらむすっとした表情とか、
そういう言葉と表情にアンバランスがあるときは読み取りづらいかもしれませんね。


僕は授業中、基本的には能面のようにあまり表情を変えないのですが・・・ちょっと分かりづらいかもしれませんね。

コミュニケーションは友達に頼んでどうこうできることではないので難しいのですが、

ご家庭では基本的には率直に感情を伝える

というのが一番よさそうです。

僕は伝わらないかな~

と思ったらすぐ

「今は怒っています」
「ありがとう、今は喜んでいます」

と伝えています。

最近教えている生徒は表情遊びが楽しいらしく

「にっこにこ~の顔して」
「怒るの顔して」

と、どうやら表情の違いを見分けるようにしたらしいです。


言葉や表情を伝わりやすくしてあげることがポイントですね!

知覚推理を伸ばすことはできる?

知覚推理が伸びるかどうかについては難しいところです。

ただ、直感的に判断していることが多いため、

読み取った情報を一度一緒に整理してみる、というのが

オーソドックスな方法。

コミュニケーションであっても勉強であっても

どんな情報を読み取れたかを確認し、

その後他にどんな情報が読み取れるかを提示し

パターンを作っていく。


そのパターンを積み重ねたのち、

他の似たような場面や問題で

練習してみる。

というのがよさそうです。

というのも

そもそも推論や戦略は

積み重ねられたパターンをどれだけ蓄積できるか

によって変わってくるからです。


知覚推理が苦手な場合、初見では難しいようなことも

似たような問題を積み重ねることで

推論ができるようになることもあります。

ただ、自分一人でやるとそもそも

「何をどうしたら良いのか」が分かりません。

はじめはパターンを学習するまでそのパターンや方法を一緒に教えてあげられると良いですね。

知覚推理の苦手にどう対処する?苦手なことと得意なこと

学習指導している際に僕の判断基準の1つとして

直感的に判断しているかどうか

という基準があります。

知覚推理が苦手な場合、この「直感的に判断している。」という場合があります。

例えば積み木の問題であっても、目の前で見えている図形に意識が集中し、見えている積み木を数えたらそれで数えた気になってしまうことがあります。

これは背景をじっくり考えることなしに解答するため、そのようなことが起こります。

いわゆる衝動性と関わっている点でもありますが、この直感的な判断を統制することで推論機能が働くことがあります。

端的に言えば、ぱっと見で判断しないようにする、ということです。

もちろん、先ほどの積み木問題では必ずしも正確に個数が数えられるわけではありません。

とはいえ推論するということがどういうことかについては実感をもってもらうことができます。


そのため解答をする前に一緒に数える練習をしたり、実際にブロックを積み重ねて数えてみると良いですね!

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